Leg1-a
10月31日、いよいよスタート。ドライバー・小西の晴れ舞台が近づく。
ラリー・オーストラリアの名物といえば、ラングレー・パークでのスーパーSS。通常のSSと違い、スーパーSSでは、2台が同時に走行するため、エンターテイメント性の高いステージが観客を楽しませる。ラングレー・パークは、パースの象徴でもあるスワン川のほとりにある横長い公園。普段は芝生が広がっているだけの公園だが、ラリーの一ヶ月前になると土砂が運び込まれ、クロスオーバーを含む2.2kmのコースが特設される。コース内には、大型ビジョンが設置されるほか、コメンテイターによる中継なども行われるし、敷地内にはホットドッグやドリンクなどのスタンドショップも開かれる。ワークスチームのサービスは大型テントの中に設置され、中央の通路を挟んだ両側では、世界最高峰のチームメカニックによる、最高のメカニック・サービスを見ることもできる。ラングレー・パークでのスーパーSSはこの日のほか、金曜日、土曜日の夜にも同じコースで行われる。
スーパーSSとはいえリザルトはオーバーオールで集計されるが、とにかく対戦相手との勝負に勝つことは、スーパーSSでのアピールにもつながる。1日目の小西の相手は、マイケル・トンプソン。オーストラリアのベテラン・ドライバーだ。しかも相手の車は同じインプレッサといえども、グループA。グループNの小西には、不利な相手だ。コメンテイターも小西を応援してくれている。
スタートダッシュは、小西が先手!これに驚いたコメンテイターの注目は、終始小西の走りに集中した。最初は「Japanese Driver」と呼んでいたのに、最終コーナーに入るころには「Konishi, Konishi」を連呼。ゴール直前のストレートではかなりの接戦となったが、コンマ一秒差で、見事勝利! 幸先のいい滑り出しとなった。
小西の気分は上々。最初の一本目で軽く走ったつもりだったが、何よりデュアル・トライアルでの勝利はうれしいものだ。明日からのドライブにも弾みがついた。今日の走りはこのスーパーSS一本でおしまい。明日からのラリーも気合を入れて小西は走る。
(A/m/s 発信)