参加型ラリー雑誌、PD(プレイドライブ)誌7月号に国際ルールについての記事を書きました。タイトルは『世界基準でラリーイング』。国際化が少しずつ意識されつつある日本のラリー文化を肌で感じる今日この頃。国際規則と国内ラリー規則が混在して混沌としているこの状況のなか、頭を整理してみてはいかがでしょう。
これから国際ラリーに出場しようとする入門者向け、またなんとなく知っていたけど本当のところはどうなのという中級者むけ・・としてまとめてみました。
内容はどちらかといえばドライバーというよコドライバー向けに見えるかも・・。ただ国際ラリーを意識する人はだれもが知っておいて損は無い内容。
さあ、PDを買いに本屋へダッシュ!
現在、インプレッサWRXSTI(GDB、SpecCではない・・)をテスト車として使っている。つい2ヶ月前まではラインオフのほぼノーマル状態だった。これを全日本ラリーの練習用&テスト車として今年は使う予定だ。ラリーカーは走らせればあらゆるものが消耗するもの。テストで使った後には本番前のためには事前に念入りなメンテナンスが必要となる。そういう意味で本格的に参戦しようとするならテスト車は不可欠。そういうものの限られた予算と時間の中でいかに本番車両に近づけるかというのは頭が痛い問題。予算が余りあるほどあればもう一台ラリーカーを作ってしまうのがいいだろうが・・・。
さて、GDBは旧型インプレッサに比較するとボディ剛性はずいぶんと高くなっている。したがって、限られた予算と時間を有効に使うためにボディーには手を加えずマシンのコントロール性、スポーツ性などの向上を第一に考えた。実施した点は以下のとおり、これがお勧め”インプレッサを走るようにする最初の一歩”だ。
①サスペンション交換(これは必須)②リヤLSDのイニシャルトルクアップ③リヤデフマウントをSTIの強化品に交換④ブレーキパッドを強化⑤内装品としてバッケットシートとステアリングを交換・・
幸いSTIバージョンはサスペンションのアームのブッシュがある程度強化品になっているため、これだけでもかなり走るようになる。クラッチはスタンダード品でも充分だ。
4月には今年から始まったPDターマックラリーというシリーズの第1戦にゼロカーを務めたが、ラインオフのクルマに①②③までを実施した状態で走行。さすがにスタンダードブレーキでターマックの下りは怖かった・・。
ということでポテンシャルアップ計画(その1)は①~④までが必須。普通は⑤までなのかな。
国内ラリーに最適なランプポッドを試作してみた。
従来製品は海外ラリーのようなハイスピードラリーを前提としたワークスタイプが多かったが、アベレージスピードが60km/h前後が多い国内ラリーでは過剰性能。最近全日本ラリー選手権を走っていてなんか違和感がある。ボンネットに張り出すようなスポットランプは視界を妨げるなど弊害も多いし、明るすぎて正面のガードレールがまぶしかったり・・。かといってバンパーなどのコーナリングランプだけではロングストレートの先は見通せないしチョッと役不足。
そこで、国内ラリーに理想的な形ということで4灯タイプを開発。従来品と違うのは国内ラリー用と割り切りヘッドライトの補助ランプとコーナリングランプをセットにしたもの。日頃ドライブしているインプレッサ用だが、エンジンフード上部にあるインタークーラーの空気流入を妨げないように考慮、また視界から邪魔な凸が見えず視界は良好。狭い林道のコーナリングでインを攻めきれるようにバンパー角のオ-バーハングも考慮した。先週末のPDカップラリーのゼロカーで使用したが、これは非常に優れもの。それにこれならインプレッサの顔も引き締まって普段から装着していてもいいかも。製品化します。全日本ラリーの本番車両にももちろん装着の予定。
興味のある方は office@active-ms.com まで。
インターコム。これはドライバーとコドライバーがラリー中コミュニケーションをはかるシステム。
詳細は(<a href="http://www.active-ms.com/jp/0914.html" target='_top'>http://www.active-ms.com/jp/0914.html</a>)
本番中にこれがトラブルになると致命的である。成績はおろか時には命の危険につながる恐れもある。そんな訳でバッテリー(電池)はこまめに取り替えている。私の場合、1レグ(1日)ごとに交換していた。ちなみにバッテリーから直結して電源を取る方法もあるが、どうしてもノイズを拾ってしまうため経験ではやはり電池方式が一番安定している。余裕があるならこのインターコムシステムのアンプ自体をスペアも含め2つ装着するのもワークスカーなどではよく見られる。万が一片方が故障した時にそのロスを最小限に止めるためだ。インターコムシステムのコードを接続するジャックは脱着しやすいようにシートベルトのショルダー部分に固定することが多いが、スペアを含め2系統装着した場合は、メインが赤、スペアが黄色などとジャックの色分けをするといい。そうするとドライバーとコドライバーが違うシステムに接続して『あれッ聞こえないぞ・・』などという恥ずかしいことはなくなる。そうそう、パルクフェルメに入れた時はスイッチのOFFを忘れずに・・。そしてコドライバーは電池のスペアを携帯しておいたほうがいい・・・。
先日2001年のWRC総集編のビデオを見ていたら、コリンマックレーのクラッシュの時のオンボードカメラがあった。非常に派手に回転していてマシンの外見はメチャクチャ。でも最近のラリーカーはクルーの安全を配慮して製作しているだけあって、運転席の室内はあまりつぶれていない。最近のモータースポーツは少しずつ”安全”というもに対する意識が高くなっているようだ。これはラリーにおいてオーガナイザーがギャラリーに対して配慮する場合でも同じこと。今後は道端のすぐ脇で(素手でラリーカーが触れるくらいの場所)は観戦できなくなるかもしれない。まあ、これも当然のことかも。事故は当事者にとって見れば悲劇でしかない。どんなに盛り上がっていても事故に遭ってみれば仕方が無いですまないだろう。モータースポーツにスリルは付き物。しかし安全だけは常に気くばろう。”無謀で速い”より”安全で速い”ほうがなんとレベルの高いことか・・。
そういえば、ビデオではコリンマクレーが転がりながら腕を胸の前でクロスして怪我から身を守っていた。派手に転がる時に腕が遠心力で外に出てしまい大怪我をすることがあるからだ。一流ドライバーは安全に対してのとっさの対処も一流みたいだね・・・。
ご存知の方も多いと思いますが、今年から民法でもラリー(WRC)を放映するようになった。放映時間は深夜かなり遅い時間だったりしてまだまだメジャー化とはいえないかもしれない。その昔BS放送でしか放映していなかったり、それすらも時に途絶えたり・・、それに比べれば大きな進化。是非出来るだけ多くの人にラリーの魅力を知って欲しいと思う。そして、そこから色々なモータースポーツに興味を持ってゆけばいい。モータースポーツはなにも参加する人だけのものでもない。オリンピックと同じで応援する側がいて初めて本当の『モータースポーツ文化』といえる。
・・・そういえば、テレビでWRCを見損ねても今はコンビニで全戦のWRCビデオが手に入る。チョッとした広告やニュースでチョッとだけ見たことのある人も・・・是非一度ご覧ください。