今回ゼロカーを安心して走らせることができたのも、このゼロカーチームのおかげ!
ゼロカーはある意味、今回のワークスよりも絶対完走の責任があるシビアな仕事。そんな任務だからこそ、終了した後の達成感はみんなのいい思い出になります。
そして忘れてはいけないのが、トリプルゼロやその他セーフティカーの働き。安心して全開(に近い!?)スピードで走れるのも彼らの責任持った仕事のおかげ。さらには、無線を通して的確に指示してくれるHQの皆さん・・・
・・・それにしても・・とあるSSではグレーチングという側溝の鉄製の格子ブタが垂直に立っているのはビビリました。
ゼロ:「グレーチング立ってました・・。地点○○km。 左半分通過可能。」
HQ:「了解!!戻って直して!!」
ゼロ:「いや・・もうだいぶ進んじゃいました・・それにすぐファーストゼッケンが来るので・・・バックして戻らなきゃならないし・・後ろのスタート待たせられますか?」
HQ:「ダメだ!スタートはとめられないっ!!」
ゼロ:「・・・」
あのときのHQの怖いこと・・。久々に怒られ気分を満喫。
最近、そんなに真剣に怒られることもないからねえ。
それにしてもWRCという大舞台であるがゆえ、まるで大海原に漂流でもしたようなあの妙な孤独感・・私とそしてベテラン中原さんも、一生忘れないでしょう(笑)
とにかく、今回も楽しいWRC。みなさんお疲れ様でした!!
そして、ぜひ皆さん来年のWRCジャパン、見に行きましょう!
(※グレーチングは幸い近くのラジオポイントのオフィシャルが対処しましたので、ノープロブレムです・・)
何気ないフォードフォーカスWRCのリアビュー。
レーシングカーにくらべると最大パワーが少ないからかどちらかといえば小径パイプであることが多いラリーカーのマフラー出口。グループNなんてΦ70しかないですからねえ(こちらはレギュレーションのため)。ところがこのフォーカスはよく見るとマフラーの出口がまるで走り屋の斜めだしマフラーのごとくΦ150はあろうかという極太パイプ。そしてその中にはメッシュ状の怪しい物体が“詰まって”ます。
・・そう、その怪しい物体とはノーマルのクルマではどんな車種でも装着されている“触媒”。普通はエンジンの排気マニホールドやターボの直後または床下あたりに装着されているものがこのフォーカスWRCではテール部分についているんです。
・・しかも“丸見え”。
WRカーは実は触媒はレギュレーション上装着必須。でもタービン直後よりなるべく後方に持っていたったほうが触媒の負荷は少ない。そんなわかりやすい理由のためか、それとも凝った設計のフォーカスWRCだけに重量物を少しでも後ろに持っていきたいという究極の理由からなのか。
・・・とにかく触媒がこんなところについています。
そしてなにがカッコいいかって?
それはナイトステージ!!
真っ赤に加熱した触媒がリアから丸見え。その姿といったらほとんど“ジェットエンジン”状態!?です。これに加えて時々バックファイアが青白く長~く出るんだから・・もう惚れ惚れ。
(夜の写真が無いのがほんとうに残念)
うちのラリーカーもこれやってみようかなぁ・・と早速悪い考えが・・。でもこれで公道は走ったら、マズイだろうなあ・・。
さてさて、レグ3はどうしたんだ!と言われそうですが・・。ラリージャパン直後から台湾へテストで出張(その話はまた後でするとして・・)。ようやくレグ3のお話ができそうです・・。
さて、ラリージャパンのレグ3。観客にとっては溜まった疲労感と名残惜しさの入り混じった複雑な心境の最後の1日。選手にとってはあともう一日・・でも気の抜けない最後の一日です。ではオフィシャルにとっては・・なんとなく気の緩みも出そうな最後の一日・・。
ということで・・・それが予想できるだけにオフィシャルカーはこれまで以上に気が引き締まります。ここには書けませんが去年だって一番の“ドキドキ”がレグ3に2つもあったので・・。最近じゃあ少々のことでは驚かない自分でも、もうあの時はあまりの出来事に“思考が停止”したくらいです。(聞きたい人はA/m/sへぜひご来店!?)
レグ3は新得という帯広の北西に位置するステージ。ここは、レグ1やレグ2とは雰囲気が多少異なり、結構難しいステージ。去年、首位独走で誰もが優勝を信じて疑わなかったスバルのぺターがリタイヤしたのもこのステージのひとつ。ほかにも『下りで一部ウェットでハイスピードで逆バンクで外側の路肩が崩れていてイン側にはロックがあって裏切りコーナーがあって・・・』とこれ以上ないくらい不吉なコーナーが出現する自分のもっとも嫌いなステージが待ち構えます。ことしも不吉さ全開。ワークスも含めたエントラントすべての誰よりリタイヤが許されないゼロカーだけに、一番緊張するステージでした。・・・まあ無事に終わったのだけれど。
最後は愛国サービスパークの脇にあるスーパーSS。毎レグに設定されたこの帯広スーパーSSも日中に行うのはこのレグ3のみ。それにしてもすごい観客。最初の2日間もきっといっぱい観客がいたんだろうけど、昼間はより一層目立ちます。リエゾンでこのスーパーSS会場の脇を通ると裏から観客席が見えるのだけど、立見席なんて何重にもなった人ひとヒト・・。昨年のスーパーSSのあの広大な規模にも感動したけど、ことしは今年でこのヒトの“密集具合”に妙に感動!?。
【スタートラインからの観客席の様子】ここだけはゼロカーも思いっきり走れるのでそれなりに楽しみなSS。いやはや明るいと走りやすいもんだ。
映像でWRCを見ているヒトにはお馴染み“SSスタートゲート”。お金のかかったWRCだからこのゲートってすべてのSSにあると思うでしょう・・。実は自分もそう思ってました。
ところが・・このゲート、TVクルーといっしょに移動するんです。つまりスタート風景を撮るときにだけ設置する特別ゲート。そんな携帯?ゲートなのに地方選手権ラリーを時に上回るこの豪華さ。さすがWRCです。
そういえば、去年はパイプの組み立て式だったこのゲートにダブルゼロカーが接触するアクシデント・・・。スタート位置を直すために切ったステアリングがそのまま・・スタート直後に横にマシンはスライド!
・・・だから今年は空気で膨らますタイプに変わったのかな!?
昨年のダブルゼロはランサーEVO9.でも今年はコルトVerRのラリー仕様です。ドライブするのは全日本トップドライバーの石田正史選手。全日本屈指のガレ場スペシャリスト!?つまりクルマの負担も相当なもの。クルマ・・大丈夫なのかな?
だれもの心配をよそに、ノートラブルで完走。さすが正史さん。。
・・・実は普段の雰囲気とは裏腹にとっても堅実な側面を今回の夜の宴で話をしていて発見してしまいました。その破天的ドライビングとあの独特の脳天気キャラに自分の大好きな先輩ドライバーでしたが、今回の意外な側面に益々ファンになりました・・。
【写真はスーパーSSでのシェイクダウン映像を音とともに記録する正史さん。なんだかとっても楽しそうですねぇ】
レグ2もゼロカーのホテル出発は5時半。
この眠い朝がラリーらしくていい感じです!?
でもオフィシャルの人は配備の場所によっては4時半とか3時半とかに朝のミーティングがあるそうな。3時半集合ということは2時半起き・・こうなるともう早朝といえるのか微妙なところです。それにくらべればゼロカーで早起きだなんていっていたらバチが当たります。
タイヤはピレリだったんだけど、レグ1からKM4というソフトタイヤを使ってみた。実は3セットのうちソフトは1セットのみ。これをどこで使うか・・が今回、唯一のコンペティションらしい作戦風景?。
(・・・といっても勝負してないんだからどうでもいいのだけど)
ゼロカーっていうのは、SSを最初に全開で走る。当然、ワダチがあまり無いとってもクリーンな路面を走れるという最高の贅沢が味わえる。自分の好きなラインを残せるのだ。
でも・・・こればっかりは体験してみなければわからない。
普段も幹線道路となっているような広いステージはいいのだが、狭い高速コースとなると走りづらいことこの上ない。道幅の狭いステージではコーナーとコーナーを時に若干のインカットをしながらスムーズなストレートラインをトレースしていくのだから、一般の交通による(たとえレッキでも)砂利の掃け具合がそれに合うはず無い!コーナーの進入では予想以上にテールが流れ・・コーナリング中はクルマが暴れてヨレヨレ・・・オレッてなんてヘタクソなんだろうと自己嫌悪に陥る寸前のドライビングです。
そんなとき頼りになるのはグリップが高いソフトタイヤ。ハードタイヤを選んだら余計ピーキーになってそれこそ危ないからなあ・・。
でもあれほど天気の悪かった帯広地方もレグ2になるとようやく晴れ模様。みるみるステージはドライになります。そうなると・・ソフトタイヤはぼろぼろに。最終日のレグ3にはちょっと難しくてウェットコーナーも多い新得地方。そのときのためにぼろぼろになりかけたソフトタイヤの温存作戦。レグ2午後は戦略的にハードタイヤをチョイスすることに。
(まあ・・・勝負はかかってないんだからどうでもいいんだけど)
さすがにハードタイヤは使いにくい。ピーキーでアンダー、オーバーステアの入れ替わりがひどいし、ウェットになったとたんにスパッとタイヤ2つ分ぐらい横にスベる。ちょっと危険な雰囲気。いつもはまったく汗をかかないゼロカードライビングだけど、こういうときはだいぶ冷や汗をかくもんです。
初日のゼロカー任務は無事に終了した。
今日は変な天気で、帯広市内は快晴で暑くてたまらないのに
陸別付近は雨模様。おかげでステージもスリッパリーでした。
林道ステージではところどころスベルすべる・・・。
硬い粘土質土路面の上に滑りやすい水分の多い泥・・
まるでマレーシアを思い出させるようなツルツル具合でした。
まあ、あれよりはだいぶ滑らないけどね。
一日の締めくくりはサービスパークの近くに設けられたスーパーSS。
だいぶコンパクトにはなったけどけっこう面白い。
今年は大先輩?の石田正史さん。でもクルマがFFのコルトだから
真剣勝負はまたいつかの機会に残念ながらおあずけ!?
それにしても!またやってしまいました。
スーパーSSでの大失敗。かつてニュージーランドなどの海外でも
やらかした・・。
スタートして全開。フェイントから1コーナーに飛び込む・・
その先の出口に向かってアクセルまた全開。
でもいきなり目の前真っ暗・・・。
そうなんです。ヘッドライトを点灯するのを忘れてました。
だって、ついつい忘れがち。
スタート地点と最初のストレート。
昼間のように明るいからねぇ。
【スタートのだいぶ前・観客席まったく隙間の無いくらい満員でした】
・・・ちなみに、これはトリプルゼロ。
自分が運転するは前年同様STI所有のインプレッサグループNカー。
ただいま、帯広滞在中。
今年も世界選手権ラリー、WRCラリージャパンがスタート。
今年で3年目のこのラリー。ワークスチームも様変わり。
でも相変わらずの盛り上がり。
今日は、WRCプラス誌のWRC観戦ツアーに短時間ながら合流。
このラリーの見所の解説を少々・・
この20人くらいの方たちの中で初めてラリージャパンを見るという方<br>は驚くことにたった一人!
このリピート率の高さにラリーの魅力が表れているような気がして
ちょっとうれしいですね・・。
さて、
今日はセレモニアルスタート。
明日からはいよいよレグ1です。
そうそう・・・
今年もゼロカーで、轍の一切無いフラット路面をはしります!
(リピートSSの場合は最初のファーストランだけだけどね・・・)