ゼロカーは組織上“セーフティーカー”という扱いで、他の00(ダブルゼロ)や000(トリプルゼロ)とおなじグループに属していて、みんなで協力してラリーを安全にスムーズに遂行させる役目があります。ほかにもSWEEPERという最終ゼッケンのそのあとをいろいろな処理をしながら走るクルマもあるし、EQUIPという機材を運ぶクルマも重要です。
でも一番重要なのは“INFORMATION CAR”かもしれません。各SSには競技車両の1時間以上前に入ってオフィシャル配置や標識類をチェックしたりコース状況を確認したり・・。これらセーフティカーとラリーベース(HQの競技部分をコントロールする管制室)は無線で常に繋がれているのですが、このやり取りを聞けば納得。ラリーはこのインフォメーションカーとラリーベースがコントロールしているといっても過言ではないかもしれません。
それにしてもラリー中のこの無線のやり取りってかなり面白い。ヘリコプターとの交信も逐一入るしとにかくラリーの状況全体が手にとるようにわかります。もちろんシリアスな場面がほとんどですがごくたまにおもわず笑ってしまう出来事も・・。おかげで単調な長いロードセクションのドライブも退屈しません!?
【ラリー前のセーフティグループのミーティング風景】
もちろん、現場のオフィシャルも大変な作業。何百人ものオフィシャルが一生懸命だからこそWRCが成り立ちます。それにしてもオフィシャルのみんなの人間模様が見れるのはとても興味深い。
やっぱりみんな朝は弱いのかな・・朝のTCではみんなも眠たげ。ゼロカーが来るとやっとエンジンがかかりだすって感じでしょうか。こんな状態でゼッケン1番が来たら大変!ファーストカーの直前にゼロカーを走らせるとは必要にして不可欠。
ゼロカーって予行演習というより目覚し時計??
FIAのシステムもよく出来てます・・・。
それにしても、ゼロカーのスケジュールは超タイト。競技車両でさえロードセクションは普通にSS間を移動してちょうどいい時間なのに、ゼロカーは1号車に追いつかれないように前もって早めにスタートする必要がある。とくに50kmのロングステージなんか20分もあけるもんだからさあ大変。つまりロードセクションが20分きついってこと。移動したら無線で連絡とってすぐSS。フィニッシュしたら無線。そして次のSSまで大急ぎで移動・・・。いやはや“用をたす”ひまもありません。
この緊張感・・・エントラントとは明らかに違います!
見てください。この沿道の人ヒトひと。通過する各町はもちろん、各交差点、あぜ道の各所までも応援団がいます。
印象的だったのは“着ぐるみ”を着ているちょっと飛んじゃっているヒト!?(失礼)が何人かいたこと。青いさかなの着ぐるみ君はスバルレプリカにしてあったし、黒白の牛の着ぐるみを全身にまとい踊りまくっているおねえちゃんもいました。海外では比較的よく見る風景。おもわずここは日本だよな・・なんて思ったりして。
思わず飲み込まれてしまうWRCの熱狂の世界は日本人をも変えてしまうのか?
(ちょっと大げさ?)
・・・それにしても緊張感のあるラリーのなかで妙な脱力感。きっとワークスドライバーたちも心が和んでいるはず。いっそのこと日本らしく力士なんかも登場したら面白いかも?
とはいうものの、増えすぎても困るかな。日本に関して誤解を招きます・・。
【熱心な沿道のファン。“着ぐるみさん”を撮れなかったのがホント残念!】