今回のエントリーにはAPRC常連たちがずらり。ラリージャパンを興味を持って見ていたヒトにはなじみのある名前でしょう。プロトンのカラムジット・シン、日本からはカツ(田口勝彦)そしてキャロッセのヤナギ(柳沢宏至)、それからドイツチャンピオン・アーミンク・レーマーやニュージーランドのジェフ・アーガイルなんかもいます。
興味深いのは、チャイナ国内のチームの“助っ人”ドライバーたち。
写真はラリージャパンにも出ていた、オーストラリーアチャンピオンのコディ・クロッカー。かれはタイヤディーラーのスポンサードの“黄色いインプレッサ“。そして一番リッチな“紅河(タバコ)”チームはスウェーデンドライバーが助っ人です。それから“即咳停(咳止め~製薬会社)”の黄色いランサーにはイギリスのデイビッド・ヒギンスがいます。とにかくいろいろな “すご腕”ドライバーが勢ぞろい。けっこう熾烈なコンペティションで、とにかく走りがいがあります。
かく言う自分も、今回は香港チームの助っ人ドライバー。自分のゼッケンは14番。久々のAPRCではあったが、幸い過去の中国での実績が効いているのか、スターティングオーダーはヤナギの前で7番目。さあ、楽しみ。。
【このチームだけでなく、他のチームもレースクイーンが華々しく参加します。この雰囲気、日本のラリーだったらかなり“浮いちゃいそう”だけど・・・】
仙台にいたころから後輩的つきあいだったダートラドライバーの早川選手が8月末に全日本ラリーデビューした。
ラリー直前からペースノートの特訓。そして林道ドライビングレッスン。まずペースノートはいまのラリーでタイムを出すためには必要不可欠なテクニック。まずはここから学んでもらう。まずは手本のペースノートをつくります。それをコドライバーに読んでもらって聞きながら軽く流すという練習。まずは基本が大事。道路形状の表現をどう記号に置き換えていくかは出来上がったものを反復して体験するのが一番。そうするうちに景色と記号とがリンクしてきます。そしてそれを数回反復した後、いよいよ自分自身でペースノートを作ってもらうという作業。とにかく地道なトレーニングです。速く走るわKでもなく、ひたすら呪文のように『R3・L4・40・R3>・・』と繰り返します。教えるコドライバーもひたすら忍耐。そんなこんなでようやく『形っぽく』はなる。あとは走りの部分か・・。
でもさすが全日本ダートラでも優勝する実力の持ち主、運転はスムーズで無駄がない。過重のかけ方も実にうまい。あとは林道特有のラリー走りさえ身につけてしまえばいい線にいきそう。
早川選手の初ラリー挑戦は全日本二輪駆動のソネットラリー。栃木県那須を舞台に行われるラリー。やはりやるからにはSS勝負ラリーということで私がこのラリーを選びました・・
車検前は準備であたふた・・ジャッキやら車載工具やらとにかく固定の仕方が中途半端・“これじゃあ・危ない・・やり直し・・”と大変な騒ぎ。昨今のラリーは安全に関しての意識が上がってきている。そういう意味ではやはり彼もラリーの現場では素人だったか。さて今回は日がまだ高いうちからSSがスタート。先日の“うまい”運転を確認していたし、彼の意外に冷静な雰囲気にさして心配もせずにサービスパークで帰りを待つ。ところが・・・『やってしまいました・・』という悲痛な電話。あ~・頼むよ~・かつてはあれだけクルマを壊さないやつだったのに・・・こういうときに限って・・”ということで積載トラックを借りに行く羽目に。やはり初挑戦。やる気と不安と負けず嫌い・・いろいろ複雑な思いが入り乱れていたのだろう。走りを見ていたカメラマンからもちょっと“危なかったかなあ”というコメント。まあ、初挑戦、しょうがないか。そうやっていろいろ学んでいくものかもしれないし。
でも後日の彼の一言『いやあラリーは面白いですねえ・もっとやってみたいです・』。なかなか楽しみなヤツではある・
【同じSSでリタイヤのこの2台。それにしても・この写真、問題ありだな】
日本にとうとうWRCがやってきた。ラリー前はどうなることかと思っていたが、大成功のラリー。そう確信したのはセレモニアルスタートの時だった。
ラリー数日前の帯広市内はいま一歩、“世界選手権!”の“乗り”はなかった。ところがセレモニアルスタートの時の、帯広市内の中心通り、いわゆるアーケード通りの人のすごいこと。昨年のラリー北海道とはもはや比べ物になりません。いったいどこからこんなひとひとヒトが・・。休日新宿のアルタ前にもけっして負けていません。セレモニアルスタートは見に行ったんだけど、何十ものヒト垣。おかげでスタートランプに上がったクルマは天井がかすかに見える程度。ゼッケンなんか見えません・・・応援しているクルマが果たしていまランプ上なのかどうなのか??
とにかく、日本もまだまだ棄てたモンじゃありませんね。ラリーファンってこんなにいたんだと感激。ヨーロッパのような文化にはまだまだ道のりは長いけど。お祭りという文化が古くから定着して盛り上がる国だけあって、意外にこのラリーという“お祭り”は受け入れられるのかも。