さてさて、先月試乗した新型インプレッサの詳細インプレの続き・・
当日はあいにくのウェット路面。“雨男”の自分を再確認する羽目に・・・。まあクルマの進化を見るにはいいかも。
インプレッサは長く乗ってきたし、自分でもその動力性能やハンドリングからもっとも好きなクルマの一つ。その新型ともなれば、やはり他の試乗会よりもすこしワクドキが大きい。今回もっとも注目していたのが新開発センターデフ。従来のものも画期的な機構でずいぶん楽しめたものだが、やはりコンペティションとなると細かな不安要素がいつも気になっていた。電磁クラッチでロック率を変えるため、ロック度合いが足りないことがあったり、トラクション負荷の変化に対する反応が遅れるフィーリングもあった。でも今回は機械式LSDを組み込み込んできた。この機構のセンターデフが登場してからいつも“あったらいいのにな”と思っていた機構だけに、素直に嬉しくもあった。
実際に乗ってみると、いままで身にしみたドライビングフィールを見事に裏切ってくれるコーナリングを見せた。アクセルを開けるとぐいぐいインにトラクションをかけてくれる。フロントLSDを強くすると似たような傾向になるものだが、それよりももっとナチュラルな感じ・・とでも言おうか。玄人話でいえばブレーキからアクセルに踏み換える“瞬間”が実に頼もしくて不安感がないのがイイ。コーナリングでこの瞬間って非常に大事。サスペンションセッティングでもここは重視するところ。簡単にいえば、フロントの変な“突っ張り感”がないっていう感じか・・。
それにしてもちょっと残念だったのはフェイント&ドリフトというラリー走りをしてみて、妙に頼りなく感じてしまったこと。トラクションがとても弱い。しかもハードブレーキング時にABSの効きのタイミングも早い。どうやらブレーキやステアリング操作のタイミングからセンターデフのロック率を下げる方向に働いてしまうらしい。結局この走りにはマニュアルモードのロックがよかった印象。もちろん機械式LSDが入っているだけにこのマニュアルモードも前のモデルよりは進化しているもの、オートモードはもっと突っ込んだセッティングが欲しいところ。もっともこの新型のコンセプトは基本に忠実なレーシングドライビングをすることにあるとも言えるからしょうがいないのか。
・ ・・でも世界は広い。ラリーイメージのインプレッサだけに、きっと他の国でどっかのクレイジードライバーがこんなドリフト走りもすると思うんだけどね・・。
【今回の走りの動画は“オートスポーツWeb”で公開中。それにしてもあのインカームービーは編集の人が手にもったままリアシートに座って頭にコブをつくりながら撮った力作。あの横Gでこんなにうまく撮れるもんなんだ・・さすがです。】
<a href="http://www1.as-web.jp/news/news_index.php?c=9" target='_top'>http://www1.as-web.jp/news/news_index.php?c=9</a>
【写真は新旧のスペックC比較。旧型は“すっきり”でそれもアリなんだけど、大型スポイラーがついた新型のほうがやっぱり強そう!?】