車の寿命は?というと漠然としているが、通常10万km走行または10年間過ぎるとなんとなくその程度が不安になってくるもの。中古車では5万km走行を超えると急激に査定額が悪くなるとも聞く。ではラリーカーは・・・?
よほどのトップ争いでもない限り、ラリーはドライビングの上手い下手が成績に左右する競技。旧型車でも潜在的ポテンシャルが高ければまだまだ走ることが出来る。ラリーカーをメンテナンスよって常にベストな常態に保つということは大事なこと。サスペンションやブレーキなど消耗品である部分を適時交換することで寿命は確実に伸ばすことが出来る。考え方によってはエンジンやトランスミッションなども同様。ただし、いくら消耗品を交換していっても“ボディ”は交換することが出来ない。つまりこのボディ寿命がラリーカーの寿命とも言えるかもしれない。
これを伸ばす方法はしっかりと補強を施すこと。ボディはクラッシュしなくても少しずつ”へたってゆく”もの。鉄板をつなぎ合わせている溶接個所がはがれたりして少しずつ柔らかくなっていき寸法も狂ってくる。そうすると、サスペンションがしっかりとした機能を発揮できず操縦性が悪くなったりトラクションが悪くなったりする。激しくボディに負荷のかかるラリーでは1戦でボディが柔らかくなってしまったり最悪亀裂が入ったりすることもあるくらいだ。補強をしっかり施せば数年間、数十戦走っても寿命は尽きない。ボディ補強はお金もかかるものだが長い目で見ればベストな状態をたもちつつ寿命を延ばす“お徳”な話なのである。
もっとも、エンジン、トランスミッションが非常に高価なグループAなどはボディも消耗品のひとつかもしれないが・・・。