(photo:autoblog)
そういえば、今年のWRCは新型WRカーの時代だ。
いままで2リッターターボだったのが、1.6リッターターボに。ダウンサイジング時代の今だから自然の流れでしょう。ラリーカーとしてひと時代の完成形ともいえる、2010年までのWRカーがなくなるのはさびしい気もするけど、ラリーカーとしての迫力があればいいのかな。最近だとエアロダイナミクスも機能美を感じてこれは素直に好き。(もっとも過去のノーマル然とした外観のラリーカーが疾走するのはこれは別の次元のカッコよさがあるけど)
ところで、迫力といえばやはり走りでしょう・・でもそのためにはエンジンっていう要素はとても大事!というお話。
これまでのWRカーは小さなパワー制限のリストリクターを吸気側に取り付けられていたために、エンジンパワーの常用域はRPM4千前後。なので独特の低いエンジン音が特徴だった。もちろん、“低い”といっても、高効率のレーシングエンジンだし、アンチラグもつかったりして、これはこれで実際に見ると腹のそこに振動が来るような迫力音。でも・・・2リッターNAエンジンである昨今のS2000カテゴリーマシンを見てひとつ気づいた。やっぱり、エンジン常用回転域が高回転は迫力満点! 一生懸命走っている感じもするその音に湧き上がる感動を覚えます。やっぱりレーシングカーに音の要素は大事だ。
2009年のチャイナラリーで初めてアリスターマクレーがドライブするプロトンS2000を見たときにとても印象的だったんだけど、老若男女に一番人気だったのがプロトンS2000だった。スタート順は20番以降だったような気もするが、それでも、SSの沿道に居合わせた人々はワクワクしながら、そして時に歓声をあげて待っていた。スタートしてからずっと甲高いエンジン音が山々にこだまするあの迫力は誰にでも分かりやすいカッコよさだった。
さて、Youtubeなどでは早くも2011年仕様のWRカーの走りが見れる。まだ完全じゃないかもしれないけど、“甲高い音”でもなく“迫力の重低音”でもない、このマシンがどれだけ“迫力ある走り”をしてくれるのか興味深々である。“大柄なボディ+大パワー=迫力”って自然な方程式があるけれど、“小さなボディ+小排気量”ですからね。いまのところ、路面のウネリにあわせてエンジン音がウワンウワンと上下しているようなサウンドで、なんだかパワーが不足しているような印象。もちろん小さいエンジンだから仕方ないんだけどね。まあ、これはこれからGpA時代の黎明期がそうであったようにこれから各メーカーとコンストラクターの努力で迫力のエンジンになっていくんでしょうね。突き詰めたものにはかならず感動を感じさせてくれるものがあるはずですから。
それにしても、こんなWRCの動向にも関連して、ちょっと不安になることがひとつ。日本の自動車メーカーってこの“ダウンサイジングとスポーツの両立”ってトコロ遅れてません? 最近の欧州車、ダウンサイジングといっても、スポーツグレードはちゃんとこのコンセプトが生きてます。もちろん開発に時間と費用は掛けたのだろうけど、みて、触って、走らせて・・そのたびに、「量産エンジンなのに・・、ベースグレードなのに・・」という“考え方の違い”を見せ付けられて日本人として複雑な気持ちになることがよくあります。なんだか“環境”とはいいつつもしっかり“クルマの楽しさ”を忘れさせない・・・。そんな文化の違い?を感じると、日本におけるモータースポーツの停滞って自動車メーカーがもっと何とできるんではないかな・・と。というか“するべきだ”と思う今日この頃。(というか開発時間を考えると、時すでに遅し?そうは思いたくないけどねえ・)
まあ、それはさておき、
2011年のWRC初戦はもうすぐ!
たのしみだなあ。。