もうすぐラリージャパン2010ですね。
過去4年にわたってゼロカーを勤めさせていただきましたが、今年は残念ながら走りません。地元の卓麻くんが走ります。
WRカーが走る前のバージンロード?を全開で走る楽しさは、現役でなくとも本当にラリードライバーでよかったなあという瞬間。感無量な感動があります。それが今年は出来ないと思うとちょっと悲しいかな。
思えば、2005年に初めてゼロカーをドライブしたときは本当に緊張しまくりでした。それはそうです。世界選手権タイトルの大イベントですし、すぐ後ろは世界チャンピオンチームやドライバーが走るわけですから。
現役時代だって、チームで参戦しているわけですから、簡単にリタイヤするわけにはいかないワケで、プライベート参戦とは責任の重さがまったく違うのですが、世界選手権ともなるとその"重さ"たるや・・・大変なもの。ラリーは競技ですから、“何かあったら・・”とはいつも脳裏にかすみながらも、全開で走らねばなりませんが、世界選手権のゼロカーのシチュエーションでは“何かあったら・・”こんなことは想定するどころか、想像すらしたくない・・・いや・・誰もそんなことを口にすらしてはいけないほどの世界に突入しちゃってます。
まあ、競技車両と違って、100%全開でないにしろ、過去の経験からペースダウンしていたって何があるかわからない世界だということは身にしみているつもり。そして、本当にゆっくりならまだしも、全開からちょっとペースを落としているときこそ、危ないことはない・というのもよくわかっているつもり。集中力がMAXでないのに、スピードは高い・・この90%前後のペースが一番危なかったりします。
じゃあ、本当にゆっくり走ればいいじゃん・・と思われがちです。
確かにある意味そのとおり。
・・でもステージによっては、タイムスケジュール的に世界チャンプたちが迫っているときもあるし、途中でメディアの安全確保なんかをして遅れることもあるから(いつもどこかで攻防戦が繰り広げられているのは以外と見えない部分!?)とにかく時間はシビアだったりします。この辺は、世界選手権イベント以外のゼロカーではありえないシビアさでしょう。
仮に、チェックやスピードも考え方のレベルを下げていけばもっと楽になるのかもしれないけど、それはイベントのクオリティを落とすような気がして・・。
何が一番怖いって?
そのひとつがパンク・・もっと怖いのが車両トラブル・・。
。。。な~んて並べていくとキリが無い。
口に出してはいけないんです。こういうことは。
そういえば、コドラ。・・これまで大ベテランと組んで務めましたが、これまたとても大事。ドライバーより大事かも。とにかく、時間に追われ、確認項目に終われ、HQとの連絡をし・・・走ることよりも全体を見渡していることがいかに大変なことか・・・。リエゾンって競技車だったら、“移動”ですから、リラックスタイム。ところが、ゼロカーは、昔の計算ラリーのごとく、時間との戦い。なぜなら、各SSのスタート時刻はゼロカーの場合、は前後のSS距離に応じてコロコロ変わるからです。(これって意外と知られて無いでしょ?)だから、ただえさえ余裕が無いWRCのリエゾン区間でもっとシビア。制限速度は超えず、でもなるべく速く移動。すこしでもロスをなくすように、交差点はすばやくターン、そしてすぐに制限速度まで加速!・・・こんな個とやってるんです。みんなのみえないところでね。スピード違反をしてゼロが問題起こしたらこれまた大問題だし。このシビアさ・・・常にトリップと時計をにらめっこ。計算ラリーを知らない世代ののんびりコドラでは勤まらないかも。
今年は、間1年あいてのWRCジャパン。これまでやっていたので、もちろん、今年もお手伝いしたかったのは事実。コースカーチームもHQまで巻き込んだ真剣勝負の立派なチーム体制。また、いつもの戦友!?の皆さんと参加できないのはとても残念。そしてみなさんに本当に申し訳ない気持ち半分・・。
そういえば、前回の2008年のレグ1は大変な事故もありました・・。
該当チームだけでなく、オーガナイザーの皆さんの誰もが大変でした。
今年は、2回目の札幌。
“何かあったら・・”が何も無く、スムーズなラリー展開で終わることを祈ってます。
To;Sekinen
今年は助けられないので、レッキは気をつけてくださいね!?
(コースカーチーム業務連絡?)
【PHOTO;ドーム・スタート待ちのコースカーチームの舞台裏】
~いつも楽しみな、スーパーSS。毎年感動ですが、ドームはやはりまた別格の感動。
今年は走れない・・・とても残念だなあ。。。