国際派ラリードライバー小西重幸のブログ
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プロフィール
HN:
小西重幸 (SHIGEYUKI KONISHI)
性別:
非公開
自己紹介:
●PROFILE
----------------------
* Rally Driver
* Driving Instructor
* Suspension Engineer

* Representative
of "A/m/s INC"

* Blood Type :Rh+O

* Base Town : TOKYO
(東京都調布市在住)


●略歴
----------------------
1995年 東北大学工学部卒
1995年 サスペンションメーカー技術部
2001年 A/m/s Inc.設立.
2004年 JRC Association 会長就任(~2011年)

●主戦歴
----------------------
* W R C
(World Rally Championship)

Car Model
: SUBARU IMPREZA STI

Category /Class
: Gp.N

WIN 1 time
: (Rally Australia '97 )

2nd 2 times
: (Rally Indonesia '96 / '97 )

1996 WRC series Gp.N / 6 th
1997 WRC series Gp.N / 4 th
1998-2000 FIA seeded driver

----------------------
* A P R C
(Asia-Pacific Rally Championship)

Car Model
: SUBARU IMPREZA STI

Category /Class
: Gp.N

WIN 2 times
: ('97 China, '98 Thailand)

2nd 1 time
: ('97 Thailand)

3rd 2 times
: ('96 Thailand, '97 Malaysia)

----------------------
* J R C
Japan Rally Championship (Domestic)

Car Model
: SUBARU IMPREZA STI

Category /Class
: JN-RB

WIN 1 time
: (Rally Hokkaido '02 )

3rd 3 times
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早くも2012年のWRCが始まった。

昨年、WRカーが1.6Lターボとなり久々大幅レギュレーションしたWRC。技術的にはいろいろ難しい問題をクリアしながら各チームの作り上げた最新マシンではあったが、映像からは2リッターターボからサイズダウンして走りの迫力が減ったことは否めない。WRCを見るものとしてはちょっとトーンダウンしていたのは事実。ProdriveのMINIがWRCに参戦したことで多少の変化はあったんだけど・・。

シーズン開幕戦というのは、どのカテゴリー、どの国でも毎年どんな変化や新しい話題があってもっとも興味深いイベントでもあるものだ。
さて、2012年の開幕戦、モンテカルロ。
WRCの開幕はどうなることかと思いきや・・おっと、なかなかいい感じかも。

スタート前の話題でいえば、ヒルボネンがライバルチームだったシトロエンチームに移籍したし、フィエスタでのぺターやデルクールの参戦も興味深かった。
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そして・・この週末。
伝統の大イベントが終了。
相変わらずシトロエンDS3のローブが優勝。安定してて、しかもタイムをみれば余裕の勝利!?。
ちょっとみればリザルトは“いつものこと・・”って感じ。

でも・・その後、2位以下がとても面白い・・・。

まずは、最近個人的に気になってきてしょうがない"Mini John cooper works WRC"が2位!
登場した時は大柄なSUVみたいで最近の優雅なラリーカーからするとちょっと異様な感じもしたけど、今じゃ立派なラリーカー。そしてなんだかスプリンターとしてのカッコよさと貫禄が見えてきたのが不思議。フォードをおさえての2位は立派です。もちろんドライバーのソルドもね。(それと結果をだしてくるプロドライブも)
今後のMiniのポテンシャルとソルドのパフォーマンスの両方に興味津々。ビッグニュース性という意味で、このコンビがどこかで優勝したら最高なんだけど。

それから、今度はフォードをドライブするかつてのスバルドライバー、ぺターが3位。なんとなくパフォーマンスの派手さが先行しがちだったけど、いろいろチーム体制で苦労していながらどのマシンに乗っても速さを証明するところが気がつけばかなりの実力派な感じ(DAY4なんかトップだし)。今回はあらためてそれを実感。

そして、4位はいままでのライバルチームだったシトロエンへ移籍のヒルボネン。今回のリザルトで一番注目されていただろうし、そして一番悔しがっていたドライバーかと勝手に想像。チャンピオンを争っていたトップ2人が同じトップチームで走るっていう構図は、この2人がワンツーで圧勝してしまってはWRC自体が面白くなくなってしまう・・。でも今回のリザルトでこの2人の今後の行方はちょっと面白くなってきた。でもヒルボネンにとっては今回は難しい路面で初めてのマシン。まずは肩慣らしといったクレバーさでしょう、きっと。今後の巻き返しは必ずあるでしょうね。

さて、5位にノビコフ。2008年のWRCジャパンのシェイクダウンを札幌ドームでのんびりと眺めていた時にGpNランサーで「なにも練習でそこまでやらんでも・・・」というくらいクレイジーなドライビングをしていたのがずっと記憶に残ってる。確かあの時に弱冠18歳。とんでもないヤツがきたぞと。あの時以来なんとなくチェックしているがいつも派手(黄色のC4での腹見せジャンプなんか有名!?)
かつてのコリンマクレー的ともいえるこのようなタイプは今のWRCには必要だ!!
でも路面と天候が猫の目のように変わるこのモンテでこのリザルトはベテランになってきた証拠か。今後が楽しみ。ぜひどっかで優勝して欲しいなあ。
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そして・・・
デルクール!!
自分の世代としてはやっぱり感慨深いものがあります。世代交代は大事ですが、やっぱ少しは“昔の人”が走ってなきゃ。そして堅実に6位に入るあたりやっぱりベテランの貫禄。カッコいい。きっと本人はもっと上位をねらってたんだろうけどね^^ 自分もどっかでこんな風に復活参戦してみたい~。
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う~ん・・・でも、だいぶ白髪交じりだし。すっかりおじいちゃん風になっちゃったなあ。
 

ということで、その他にもS2000マシンが結構速かったのも印象的。
・・・とにかくいろいろ興味深かった2012年の初戦モンテ。

今シーズンのWRCは去年より楽しめそう!


(写真)MONTE-CARLOオーガナイザー公式WEBより
http://www.acm.mc/


(追記)それにしてもなんだか違和感のある今年の“DAY表記”
3日目なのに“DAY5!??”
いつのまにか5日間ラリーになったのかと(笑)
~なんだかわかりにくいなあ。
【→さっきご指摘があって調べたら・・本当に5日間だったんだ^^; 
初めて出たWRCニュージーランドは4日間、レッキも入れたら一週間オーバー。
死ぬほど大変だったけど、5日間!?大変だ。でも1日あたりのSSは少ないなあ。】


 

昨年、ある注目若手ドライバーの話をしました。台湾産?の注目株です。
あれから、さらに一回りおおきくなったダーウェイ、マネージャ役?の貫禄お父さんもいっそう力が入っています。
(過去ブログ参照 http://shigeyukikonishi.blog.shinobi.jp/Entry/511/

彼は昨年に引き続き、上海のチーム、“RedBull SKODA” で走っています。
大柄なOKTAVIAです。WRCでは4WDターボだったこのクルマも、ここチャイナではNAエンジンのFF車。
ちなみに、ラリーファンであれば日本でもご存知の方も居るでしょう、SYMSインプレッサでチャンピオンになったあの“マクシェア”も今年は同じチームに助っ人参戦してます。
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でも・・・ダーウェイの方が速いんです。
しかも彼は確実にどのイベントでも完走して帰ってきます。これでは応援したくならないほうが不自然というものです。台湾はもちろん、中国メディアからも熱い視線。つねに取材攻撃です。

実は、ただえさえ本当の意味で速いドライバーが少ないこの中国において、ここ数年の間に名実ともにトップドライバーの中国人若手2名が事故や病気で亡くなっています。
そんな背景もあるでしょう、今や実力派若手ドライバーは超注目なんです。

こんな、悪ガキがおおきくなったようなちょっと童顔の彼ですが、走りはステディでアグレッシブだし、台湾人としては意外にもまともな英語がしゃべれます(お父さんはまったく英語だめですが・・)。ドライバーとしてはワールドワイドになる素質十分。彼の才能からしてこのマシンではもう役不足かも。彼が早く次のステップにいけることを祈るばかり。


~それにしても、今回彼のもうひとつの一面を見てしまいました。
それは“超やんちゃ”なこと。

クラス優勝をして、ポディウムでクルマの上に立ち、シャンパンファイト。
でも・・まず何をしたかというと・・
隣下に立つかわいいキャンギャルにシャンパンを“バシャ~。。”
しかもビンを逆さまにして見事に頭から・・です。

ここでこんなことするか・・普通・・。
意外な展開にあいた口がふさがらない・・
なにより、行動の意味がわからん!?

いつも満身笑顔のラリークイーンもさすがに笑顔がひきつってました。
かわいそうに・・。
(実は彼、最終サービスパークではチーム内の別の女の子にも容赦なく“シャンパン&レッドブルドリンク!”のダブル攻撃を浴びせてたんです・・苦笑)

これってワールドワイドなスター性?ってこと。
まあ・・そういう意味ではこれはこれでアリなのかも。
将来大物になりそうな予感・・
本当に今後が楽しみな若者です。

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(写真:真ん中がダーウェイ。ちなみに右は上杉さん。かつてのスバルラリーチームジャパンの名監督です~)



バンコクからの脱出の後、あわただしく国内出張をこなし、今度はAPRCチャイナ2011開催の龍遊(rongyou)に行って来ました。

昨年も行ってきましたが、ここはA/m/sチャイナから200kmほどと比較的近いんです(大陸ではすぐ隣の感覚。東京から群馬へ行くようなもの!?)

さて、この龍遊はここ毎年行ってますが、今年は直前のスケジュールの関係でなんとレグ1の朝に日本を出発して上海入り、そしてそのままその日に現地入りするという強硬手段。あの“中国新幹線”もこういう移動の時には強い見方です。切符を買うのもうまくなったしね。

~そういえば、昔は中国語もニイハオ、シェシェくらいしか知らないのに杭州から200kmをいやがるタクシーの運ちゃんを口説き落として現地入りしたこともあったっけ。それに比べればイージーです。

そんなわけで、今年はなんだか駆け足で各種打ち合わせミーティングのみでステージにいけなかったのが残念・・。楽しみにしていた“あの包子屋さん”にも行けなかったし。(http://shigeyukikonishi.blog.shinobi.jp/Entry/510/ )

だから選手にはほとんど挨拶出来ずじまい。クスコチームももちろんがんばってました。
この場を借りて?・・
“みなさんお疲れ様でした~”。

昔一緒に充実した時を過ごした仲間や同じ日本に居ながらなぜか?会うのは海外のラリーサービスパークという面々と再会できるのはとても楽しい。それに新しい出会いもね。
 今年はクスコテントにて、あるインドネシア人と初対面。自分も参戦していた96年のWRCインドネシアの話で盛り上がり・・。ただ、その当時参戦していたプライベータの白のフォードエスコート(転倒して燃えたのでよく覚えている。。)が彼のお父さんだったとは。時の流れを感じます。
 そういえば、今回は久々に中国広州在住の大溝さんとも再会。短いながら楽しい時間。かつてのJRCA会議の事前打ち合わせのような妙な気分!? 来年はゆっくり行きたいモンです。

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rongyou-service3.JPG rongyou-gas.JPG
   

~~それにしても併催のCRC(チャイナ国内ラリー選手権)ですが、相変わらずプロフェッショナル選手権ですね。かつても派手さや助っ人ドライバーの最強度?では特筆すべきものがありましたが、さらにチーム戦というのが名実ともに成熟してきた感があり、全日本ラリー選手権が学ぶべき部分がたくさんあるというのが正直な印象。(この辺の話はまたいつか) そしてAPRCよりはるかにプロフェッショナルな感があります。


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~~ちなみにA/m/sチャイナのバンを小竹カメラマンの取材車として派遣しました。途中大きな水溜りで水を吸って停止というハプニングもありましたが、ドライバー役のうちの若手スタッフが、通りすがりのクルマを止めて車をむりやり借りて事なきを得たそうな。事前に、『カメラマンは取材が命。なにかクルマにトラブルがあったら、現地でクルマを奪ってでも取材サポートを続行しろ!』と冗談半分で言ったのが利いたみたい。言っておくもんだなあ・・。


・・・・・・・で、
なぜ冒頭が2杯のコーヒーの写真なのか??

この写真、打ち合わせしていたHQ前のいつもの喫茶店。
ちなみに、右が“ホットコーヒー”、左が後から追加注文した“アイスコーヒー”
『・・・・・・。』

このおおらかさが中国田舎都市の魅力!?
中国慣れして“意外性”が普通になってしまった自分にも、中国は忘れた頃に刺激を与えてくれます。



ということで、その2につづく~

(photo:autoblog)
そういえば、今年のWRCは新型WRカーの時代だ。
いままで2リッターターボだったのが、1.6リッターターボに。ダウンサイジング時代の今だから自然の流れでしょう。ラリーカーとしてひと時代の完成形ともいえる、2010年までのWRカーがなくなるのはさびしい気もするけど、ラリーカーとしての迫力があればいいのかな。最近だとエアロダイナミクスも機能美を感じてこれは素直に好き。(もっとも過去のノーマル然とした外観のラリーカーが疾走するのはこれは別の次元のカッコよさがあるけど)

ところで、迫力といえばやはり走りでしょう・・でもそのためにはエンジンっていう要素はとても大事!というお話。

これまでのWRカーは小さなパワー制限のリストリクターを吸気側に取り付けられていたために、エンジンパワーの常用域はRPM4千前後。なので独特の低いエンジン音が特徴だった。もちろん、“低い”といっても、高効率のレーシングエンジンだし、アンチラグもつかったりして、これはこれで実際に見ると腹のそこに振動が来るような迫力音。でも・・・2リッターNAエンジンである昨今のS2000カテゴリーマシンを見てひとつ気づいた。やっぱり、エンジン常用回転域が高回転は迫力満点! 一生懸命走っている感じもするその音に湧き上がる感動を覚えます。やっぱりレーシングカーに音の要素は大事だ。

2009年のチャイナラリーで初めてアリスターマクレーがドライブするプロトンS2000を見たときにとても印象的だったんだけど、老若男女に一番人気だったのがプロトンS2000だった。スタート順は20番以降だったような気もするが、それでも、SSの沿道に居合わせた人々はワクワクしながら、そして時に歓声をあげて待っていた。スタートしてからずっと甲高いエンジン音が山々にこだまするあの迫力は誰にでも分かりやすいカッコよさだった。

さて、Youtubeなどでは早くも2011年仕様のWRカーの走りが見れる。まだ完全じゃないかもしれないけど、“甲高い音”でもなく“迫力の重低音”でもない、このマシンがどれだけ“迫力ある走り”をしてくれるのか興味深々である。“大柄なボディ+大パワー=迫力”って自然な方程式があるけれど、“小さなボディ+小排気量”ですからね。いまのところ、路面のウネリにあわせてエンジン音がウワンウワンと上下しているようなサウンドで、なんだかパワーが不足しているような印象。もちろん小さいエンジンだから仕方ないんだけどね。まあ、これはこれからGpA時代の黎明期がそうであったようにこれから各メーカーとコンストラクターの努力で迫力のエンジンになっていくんでしょうね。突き詰めたものにはかならず感動を感じさせてくれるものがあるはずですから。

それにしても、こんなWRCの動向にも関連して、ちょっと不安になることがひとつ。日本の自動車メーカーってこの“ダウンサイジングとスポーツの両立”ってトコロ遅れてません? 最近の欧州車、ダウンサイジングといっても、スポーツグレードはちゃんとこのコンセプトが生きてます。もちろん開発に時間と費用は掛けたのだろうけど、みて、触って、走らせて・・そのたびに、「量産エンジンなのに・・、ベースグレードなのに・・」という“考え方の違い”を見せ付けられて日本人として複雑な気持ちになることがよくあります。なんだか“環境”とはいいつつもしっかり“クルマの楽しさ”を忘れさせない・・・。そんな文化の違い?を感じると、日本におけるモータースポーツの停滞って自動車メーカーがもっと何とできるんではないかな・・と。というか“するべきだ”と思う今日この頃。(というか開発時間を考えると、時すでに遅し?そうは思いたくないけどねえ・)

まあ、それはさておき、
2011年のWRC初戦はもうすぐ!
たのしみだなあ。。
 



03年の12月に台湾ラリーに招待されて走った以来、05年ころまで頻繁に台湾ラリーには出かけておりました。
04年のとある一戦、たしか台南市近郊でおこなわれたラリーだったと思うんだけど、昼休み?のサービスパークでいろいろ催しイベントが。

その中のひとつ、何人かの子供が3輪バギーで片輪走行をするというもの。
(その場の雰囲気で決まったぽい追加ショーでしたが・・)
それは、10歳くらいの子供が改造ジープでドーナツターンをやるというもの。

そのときラリーに参加していたのお父さんいきなりの指示ででしょう、きっと。
本人は泣きそうな顔してやってました。
まさに“やらされていた”っぽい感じ。
子供がジープでドーナツターンもすごいなあと思ったけど、
親に無理やりやらされてた感が妙に印象的な出来事でした。
・・・“巨人の星”的愛情とでもいうべきか。

その当時のブログにもあります。
http://shigeyukikonishi.blog.shinobi.jp/Entry/239/

で何の話かというとですね・・
そのときのあの子が今年からチャイナラリー国内戦にワークス参戦しているんです。
なんとも感慨深い。自分も年をとるわけだ。

チームはシュコダ・ファビアのFFカー。
ワークスといってもWRCのそれとはまったく規模が違うけど、でも現在はS2000のシュコダが世界をトップグループで走っているので、イメージが重なってソレナリです。しかも、スポンサーはおんなじレッドブル。メインカラーもシュコダグリーンですから、どのチームよりもワークスっぽかったりして。。

実際のところ、ドライビングの実力もかなりのもので、チームの信頼もイベントをこなすごとに急上昇しているとか。いまのところ自分がドライビングを教えたこともないんだけど、お父さんの方が、一緒に台湾ラリーを走った戦友。そんな仲なのでそのジュニアとなればちょっと親近感。こうやって次の世代として活躍するのはいい気分です。いまはまだ中国、台湾ともに実力で世界に渡るドライバーは少ない。
でも将来はきっと変わってくるでしょう。

ところで、この親父さんって、ほんとぱっと見、"やくざ"な感じ。当時は真っ黒なインプレッサを駆って超過劇ドライビングしてました。いつもトップを争うくらいだから相当な熱血親父。
速いんだけど、クラッシュも派手だったりして・・
そんな彼も、ラリーの現場であったらすっかりデレデレ親父。トレードマークのやくざな感じがすっかり減っちゃった感じです。
そらあ、息子がこれだけ活躍すればねえ(笑)

まあ、あの血をひくんだから(速さの部分ね)・・大丈夫でしょう。
将来が楽しみ。。

【おまけでサービスパーク風景を】
aprc2010china-15.JPG aprc2010china-14.JPG



ちょっと振り返り。

先のブログコメントで、昨年のAPRCチャイナの話、そして去年行った場所。。
ということで過去ブログ参照と書いておきながら、去年はほとんどブログアップを
サボっていたことを発見。すみません・。

ということで、番外編。昨年のAPRCチャイナの話を少々。
この店はラリーのLEG1のエリアの渓口という村にあった包子(肉まん)屋さん。

本当に小さなお店でしたが、せっせと包子やらゆで卵やらを大量生産。
近所の人がたくさん買いに来ていました。

去年はとっても寒くて、しかもけっこう薄着でいったものだから、
このお店での朝食は、あったかくて、本当に至福の時間でした。

そしてなにより贅沢だったのは、このタイムスリップしたような店の
店先をラリーカーがリエゾンで通過すること。

よくヨーロッパのラリーで、カフェの店先をラリーカーが通過する・・
なんて風景がありますが、こちらはまさに中国版のそれです。
いいなあ、こういうのって。

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【ついでに昨年のダム脇の観戦風景。
こんなところもチケットレス、車アクセスで入れちゃいます。
~来年当たり観戦はいかがでしょう??】

今月第一週、日本ではちょうど全日本ラリーの東京ラリーが行われた週末、中国ではAPRCチャイナが開催されておりました。

A/m/sチャイナはこのラリー開催地のLongyouから比較的近く(といっても250kmくらい。でも中国でこれだったら近い!)だったので、もちろん当初から訪問の計画。それにしても月日のたつのは早いもの。去年のちょうどこのラリーのころは、現地でオフィスを設置するためにちょうどリサーチしていたころ。いまじゃすっかり中国にていちゃくしてますから。。とはいうものの、とにかく濃い1年だったのでリサーチついでにこのAPRCチャイナを見に行ったのは、遠い昔のように感じます。

さて、中国のラリー事情・・
このAPRCチャイナはもちろん“アジアパシフィック選手権”であるわけですが、同時に中国国内選手権の第4戦でもありあます。一見大きなイベントのようですが、実は2つの選手権の併催という形です。ですから、APRC組みと中国選手権組みとでチームも成績もまったく別です。他の国のAPRCと違ってすごいのは、中国国内選手権組みの方が台数、チーム規模、予算の具合、当然のこと派手さは数倍上をいっています。イギリスからもフィンランドからもチャンピオンレベルが助っ人ドライバーとして参加していますから、時にはそのスピードも上回っていたりします。アジアではWRCジャパンが一番派手かもしれませんが、APRCチャイナはその次を行くのは間違いありません。中国国内戦(CRC)の第3戦なんか、イギリスのあのヒギンズが兄弟で出場していましたから・・。贅沢です・・日本のほんのお隣なのに・・。

さて、ラリーのほうは・・
実は、現地ではミーティング三昧・・それも目的だし、予想はしていたけど・・・4件続けて連続14時間ミーティングは実にしびれる状況。そんなわけでラリーのステージは2箇所だけ。でもさすが中国。のどかな風景に心が和みます。北海道みたいなきれいな風景のなかを走るラリーカーもいいけど、中国のような素朴な風景のなかを最新のラリーカーが全開で走る姿・・このシチューエションはもっと好きです。

SS2で見てたら、いきなりラリー中断・・カツが病院にという無線情報が入り。。いやはや波乱の幕開けでした。(あとで聞いたら大事に至らなかったようでよかったですが・・)
それにしても、いきなりステージにラリーカーが来なくなるって言うのは、ゼロカー病?か、自分は関係ないラリーなのになんとなく気持ちがざわついて大変です。

昨年、初めてみた、プロトンS2000。その甲高いエンジンサウンドとWRカーとおなじくアグレッシブな動きはことしも健在。やっぱりイイわ。迫力あります。ステージをみている老若男女(まさに)みんなから歓声があがります。やっぱりだれもが見てわかるカッコよさって大事だな。

・・・そこにいたあるオバちゃんがいってました。
『昔のラリーカーはもっと迫力があって本当に速かった・・』って。

それってWRカーのこと?いやGpAか・・?どうやらこの人、ヒト昔前の香港-北京ラリーを見たことがあるらしい。あのころってワークス参戦でGpAだもの。そら迫力だったでしょう。しかもいまよりクルマのない時代・・なおさらねえ。

去年訪問した小さな肉まん屋さんも(過去ブログ参照)健在。毎年、変わらないところと変わるところ。知らない土地なのにどこか懐かしい。この旅情こそがラリーのいいところかも。
でも、見ていると走りたくなるよなあ。。(笑)

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※【1枚目写真】このコーナーは優勝した裕矢くんの走りが一番だったかな。一発のブレーキングですぱっと決めてすぐに全開。だれよりもインカットしてフル加速していきました。。。。ちょうどそのコーナーは入り口のイン側にコンクリートがあったのですが・・知ってたの?計算ずく?。見ているほうがびっくりでした。スバラシイ!


もうすぐラリージャパン2010ですね。

過去4年にわたってゼロカーを勤めさせていただきましたが、今年は残念ながら走りません。地元の卓麻くんが走ります。
WRカーが走る前のバージンロード?を全開で走る楽しさは、現役でなくとも本当にラリードライバーでよかったなあという瞬間。感無量な感動があります。それが今年は出来ないと思うとちょっと悲しいかな。

思えば、2005年に初めてゼロカーをドライブしたときは本当に緊張しまくりでした。それはそうです。世界選手権タイトルの大イベントですし、すぐ後ろは世界チャンピオンチームやドライバーが走るわけですから。

現役時代だって、チームで参戦しているわけですから、簡単にリタイヤするわけにはいかないワケで、プライベート参戦とは責任の重さがまったく違うのですが、世界選手権ともなるとその"重さ"たるや・・・大変なもの。ラリーは競技ですから、“何かあったら・・”とはいつも脳裏にかすみながらも、全開で走らねばなりませんが、世界選手権のゼロカーのシチュエーションでは“何かあったら・・”こんなことは想定するどころか、想像すらしたくない・・・いや・・誰もそんなことを口にすらしてはいけないほどの世界に突入しちゃってます。

まあ、競技車両と違って、100%全開でないにしろ、過去の経験からペースダウンしていたって何があるかわからない世界だということは身にしみているつもり。そして、本当にゆっくりならまだしも、全開からちょっとペースを落としているときこそ、危ないことはない・というのもよくわかっているつもり。集中力がMAXでないのに、スピードは高い・・この90%前後のペースが一番危なかったりします。

じゃあ、本当にゆっくり走ればいいじゃん・・と思われがちです。
確かにある意味そのとおり。
・・でもステージによっては、タイムスケジュール的に世界チャンプたちが迫っているときもあるし、途中でメディアの安全確保なんかをして遅れることもあるから(いつもどこかで攻防戦が繰り広げられているのは以外と見えない部分!?)とにかく時間はシビアだったりします。この辺は、世界選手権イベント以外のゼロカーではありえないシビアさでしょう。
仮に、チェックやスピードも考え方のレベルを下げていけばもっと楽になるのかもしれないけど、それはイベントのクオリティを落とすような気がして・・。

何が一番怖いって?
そのひとつがパンク・・もっと怖いのが車両トラブル・・。
。。。な~んて並べていくとキリが無い。
口に出してはいけないんです。こういうことは。

そういえば、コドラ。・・これまで大ベテランと組んで務めましたが、これまたとても大事。ドライバーより大事かも。とにかく、時間に追われ、確認項目に終われ、HQとの連絡をし・・・走ることよりも全体を見渡していることがいかに大変なことか・・・。リエゾンって競技車だったら、“移動”ですから、リラックスタイム。ところが、ゼロカーは、昔の計算ラリーのごとく、時間との戦い。なぜなら、各SSのスタート時刻はゼロカーの場合、は前後のSS距離に応じてコロコロ変わるからです。(これって意外と知られて無いでしょ?)だから、ただえさえ余裕が無いWRCのリエゾン区間でもっとシビア。制限速度は超えず、でもなるべく速く移動。すこしでもロスをなくすように、交差点はすばやくターン、そしてすぐに制限速度まで加速!・・・こんな個とやってるんです。みんなのみえないところでね。スピード違反をしてゼロが問題起こしたらこれまた大問題だし。このシビアさ・・・常にトリップと時計をにらめっこ。計算ラリーを知らない世代ののんびりコドラでは勤まらないかも。

今年は、間1年あいてのWRCジャパン。これまでやっていたので、もちろん、今年もお手伝いしたかったのは事実。コースカーチームもHQまで巻き込んだ真剣勝負の立派なチーム体制。また、いつもの戦友!?の皆さんと参加できないのはとても残念。そしてみなさんに本当に申し訳ない気持ち半分・・。

そういえば、前回の2008年のレグ1は大変な事故もありました・・。
該当チームだけでなく、オーガナイザーの皆さんの誰もが大変でした。
今年は、2回目の札幌。
“何かあったら・・”が何も無く、スムーズなラリー展開で終わることを祈ってます。


To;Sekinen
今年は助けられないので、レッキは気をつけてくださいね!?
(コースカーチーム業務連絡?)

【PHOTO;ドーム・スタート待ちのコースカーチームの舞台裏】
~いつも楽しみな、スーパーSS。毎年感動ですが、ドームはやはりまた別格の感動。
今年は走れない・・・とても残念だなあ。。。






この札幌ドームのスーパーSS。

もちろん、今回のためのまさにスペシャルな特設会場なのですが、どういう作りかと解説しますと・・

まず、どうなるのかなあ・・と事前に思いを巡らせていた路面ですが、基本的にドームの施設のコンクリート面そのまま。ひとくちにコンクリート面といっても様々ですが、こちらはとても滑らか。 体育館の床ほどじゃあありませんが、確実にツルツルの部類です。

コースは基本的にコーナー付近コンクリートバリアを並べて作ってあります。有料道路などでも使われるようなガチガチのアレですね。(ぶつかったらひとたまりもありません・・・)。そしてそれ以外のところは発砲ウレタン製?の紅白ブロック。(まあ、これは安全だな!?)。そしてイン側の紅白の縁石です。これは歩道の乗り上げに使うようなコンクリート製。これらがこの紅白スーパーSSの造形美を作り上げています。

さて、ラリージャパンのレッキ期間中の恒例行事~ゼロカーによる“スーパーSS試し走り”
ですが、ことしもチョコっと。

これは、事前に“ジャンプがどれくらい飛ぶか”とか、“内周と外周の入れ替わり部分が見にくくないか”とかいろいろチェックします。

それにしても・・・
『・・すべるっ!!』

その昔、所沢のほうでインドアのスリックカートに行ったことがありますが、まさにそれと同じ感覚。ずいぶん手前から真横?気味でもに横にしないと、アッというまに外側の壁に直行。少々トラクションをかけたって無駄なあがき?!で容赦なく外壁が近づいてきます。

スリックカートをしたことがある方ならご存知だと思いますが、ステアリングをインへきったままコーナリングするなんてありえない世界・・。
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そして、毎年楽しみにしている“ジャンプ!”
恐る恐る飛んでみてまたビックリ・・

『あわワワヮ・・、ブレーキングエリアがない・』

そうなんです。ブレーキに有効なグリップ路面は、ジャンプ後の下り斜面のみ。
その先にはツルツルとガチガチが待っています。

これは・・相当手ごわいぞ・・。

【写真はワークスカーのシェイクダウン風景】

過去の3年間のWRCゼロカー体験を振り返ってみると、いろいろな記憶がよみがえってきますが、その中でも特に

“広大な札内スーパーSS” 
“サービスパークに隣接する北愛国のスーパーSS”

と、WRCオーストラリアを経験して依頼、どうも根っからの?スーパーSS好きだけに、この2つが強く思い出されます。

そして今回の目玉は~
“世界初の屋内スーパーSS”と謳われた“札幌ドームのスーパーSS”

です。

これに関しては事前からワクワク。

ヨーロッパではドームではないけれどオリンピックスタジアム内でこのスタイルのスーパーSSが開催されたことが何回かあり、それはそれでその人工美!?にワクワクしたものです。

それと同じコトが実現するなんて・・・!

ちなみに、このドーム、ご覧のとおり、素ではコンクリートの床。でもなま芝生のサッカーグラウンド1面が屋外にあって、その巨大な“緑のプレート”がローラー付きで移動してきてこのスタジアムの中に納まるという驚愕のシステム。写真正面の明るい部分がまさに大きく開いた外部への“口”です。ここから芝グラウンドがスライドして入ってくるというわけです。
 
 ちなみに、グラウンドが入ってきたあとは扉が閉まるように右方向の壁の中から観客席がこれまたスライドしてくるという・・・~まさにナショナルジオグラフィックの巨大シリーズに最適なネタですな。

・・・でもこの設備がゆえのあるモノで、後日悲劇を経験することになろうとは・・・。

~つづく。


 

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